土の中に含まれる空気を抜いて、
焼成時の温度上昇で空気の膨張による破損を防ぎます。
土練りには「荒練り」と「菊練り」があり、写真は後者です。
練ったあとが菊の花びらのように見えることから、
こう呼ばれます。
みなさんよくご存じのろくろ成形をはじめ、
手ろくろを使った玉作り、細長くした粘土を積み上げて
成形する紐作り、粘土を板状にしてからカタチを作る
タタラ作りがあります。
出来上がった器が半乾きになったところで、
器の底を削って高台を整えていきます。
この行程を「削り」または「仕上げ」と言います。
成形後、完全に乾燥させた器を
通常700℃〜800℃で焼き固めます。
こうして素焼きされた器は吸水性が良くなり
釉薬が付きやすくなります。
一般的なレンガや植木鉢がこの状態です。
釉薬は本焼きするとガラス状に溶けて、
器をコーティングします。
焼成方法によっても異なりますが、
釉薬の成分の影響で器の基本的な色合いが決まります。
釉掛けした器を1,250℃〜1,280℃の高温で
15時間以上焼き上げます。
土がゆっくりと時間をかけて陶器に生まれ変わります。
コンピュータ制御された焼成窯とはいえ、最後の瞬間は神頼み。
微妙な温度と時間差、外部の気温、その日の天候・・・
ほんのわずかの違いが器の表情に変化をつけます。
個性が浮き出てきます。